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本当に不動産の物納は得なの?:知るだけで税金が安くなる

相続税の納税のために、物納すべきか?それとも、不動産売却して支払うべきか?

 あなたは、相続税を支払うために、不動産売却をするべきか、迷っていますか?
 不動産売却をしないとすれば、それを物納するしかありません。
 つまり、相続税を、お金ではなく、不動産の現物で支払うということです。

 統計データからは、相続財産に占める割合として、土地が50%、建物が5%で、現金は21%となっています。圧倒的に、不動産の割合が大きいことが分かります。
 その中で、財産が現金だけ、または、現金と上場株だけという人も少なくありません。
 とすれば、不動産が財産のほとんどを占め、一部を売却しないと、相続税が支払えない人も多いはずです。

 あなたも含め、不動産が、相続税で評価された金額よりも、市場でかなり高い金額で売却できるならば、迷うことはないはずです。
 ところが、現実は違います。

 相続税を支払うために、不動産売却をすると決断したならば、納付期限である10ヶ月以内に決済しなければいけないので、焦ります。
 また、相続税と所得税は、法律が違うため、不動産を売却したときの譲渡所得には、最低でも20%の所得税がかかってしまいます。(自宅の場合には、14%に軽減される)
 もちろん、相続が発生してから3年10ヶ月以内に不動産を売却すれば、譲渡所得税を減額してくれる特例(取得費加算の特例と呼びます)もありますが、ゼロになることはありません。
 物納すれば、譲渡所得税がかからないのです。

 一方、物納にも、問題があります。
 それは、税務署が市場の時価では、不動産を評価してくれないことです。
 あくまで、相続税で申告したときの評価額で、税金を納めたとみなされてしまうのです。

 とすると、不動産を売却すべきか、物納すべきか、どのように決断すべきなのでしょうか?
 簡単な事例で、検討してみましょう。

 例えば、3,000万円の相続税を支払うことが決定し、路線価で3,000万円の土地を相続したとします。その土地を、市場で売却するか、物納するか、迷っています。50年前に父親が買った土地で、その当時の売買契約書はありません。

 市場で、土地が3,500万円で売却できたとすれば、譲渡所得税は譲渡所得の20%となるので、665万円です。手取りは2,835万円なので、3,000万円の相続税を支払うと、165万円が不足します。(取得費加算の特例があるので、実際には、手取りはもう少し多い)
 一方、物納するならば、路線価で支払ったとみなされるので、不足金額は発生しません。
 つまり、この金額であれば、不動産売却はせずに、物納を選択することになります。

  不動産を売却して納付 不動産の現物で納付(物納)
不動産の価値 市場で決定 路線価
所得税 譲渡所得にかかる
ただし、取得費加算の特例あり
ゼロ
納付するまでの期間 相続発生から10ヶ月以内 相続税の申告期限までに申請して
それから、1年から2年程度
測量や境界確定 買主の要請による 絶対に必要

 しかも、市場で不動産売却をするためには、境界確定や測量をしたり、不動産会社への仲介手数料を支払うので、さらに、150万円ぐらいかかるのでは?それならば、物納を選択した方が、絶対に得になる?と思うかもしれません。
 ただ、物納する場合でも、境界確定や測量を行なわなければいけません。
 税務署は、物納された不動産を、将来、払い下げで、民間に売却します。
 そのとき、境界確定や測量されていないと、その不動産売却ができないからです。

 また、不動産会社への仲介手数料も、市場で売却したときには3%を支払いますが、物納したときでも、物納を仲介してもらう不動産会社に、3%の手数料を支払います。
 そうしなければ、手数料が高い方向に、誘導されてしまいますよね。
 不動産売却をする場合も、物納をする場合も、必要となる経費は、まったく同じなのです。

 とすれば、先ほどの例のように、市場での不動産売却の価格から、手取り金額を計算して、それを、相続税の評価額を比べればよいだけ・・・と、それほど、単純な話ではないのです。

 それぞれに、メリットとデメリットがあるからです。

<不動産を売却した場合>

内容 メリット 良い結果
自宅を売却したとき 譲渡所得から3,000万円を、特別に控除できる 所得税が安くなり、
手取りが増える
所得税率が14%に軽減
納付期限に、間に合う 延納しなくてよい 利子税がかからない
内容 デメリット 悪い結果
不整形地、崖地、前面道路が狭い、広大な土地は売りにくい 売却金額が下がる
(広大地は、坪単価が低い)
手取りが減る
売却金額が決定しない 買主の要請で、建物の修繕などの費用負担が発生する 手取りが減る
交渉が長いと精神的に疲れる
買主が、
銀行のローン審査に落ちる
売買の決済ができずに、
納付期限に間に合わない
最悪は、滞納となり、
余分な税金がかかる
物納申請中の不動産を売却 売却したときまで、延納したことになり、利子税がかかる 利子税は経費にもならず、
余分な税金がかかる

<不動産を物納した場合>

内容メリット良い結果
不整形地、崖地、前面道路が狭い土地などを、物納する 売却金額よりも、路線価が高くても、物納が可能 市場で売却が難しい不動産を
処理できる
超過物納する 超過した部分は、税金が還付されるが、利子がつく 超過部分は、税金が還付されるため、損はしない
内容デメリット悪い結果
相続税と同額の不動産はない 土地を分筆して、物納する 残った土地が不整形になり、
価値が下がることがある
測量や境界確定を行う 物納できない場合でも、
使った費用は返還されない
先行投資する必要がある
瑕疵担保責任が5年間と長期
(通常売買なら1年間)
不動産に瑕疵があった場合には、納税者が負担して直す あとで、余分な費用がかかる
物納が取消されることがある
超過物納する 超過した部分は、相続税評価額で売却したとみなされ、しかも、所得税がかかる 低い価格で売却したとみなされて、手取りが減る
物納ができない不動産として、断られる(却下される) 延納期間が長期に渡る 延納期間の利子税がかかる
不動産の価値が変動する

 これらをすべて考慮して、不動産売却すべきか、物納すべきか、選択することになるのです。
 結果的に、専門家に相談した方が、早いかもしれません。
 とにかく、ここでは、2つだけ、覚えておいてください。

1.市場での不動産売却が難しい(不整形、崖地など)ときは、物納を選択する

 自分から見ても、市場での不動産売却が難しいと考えるときは、万が一にも、高く売れることはありません。そんな人を探していると、売却するまでに、何年間もかかってしまいます。
 それならば、物納すると決めて、そのために、必要な手続きを進めましょう。
 物納は、あくまで、要件さえ満たしていれば、引き取ってもらえます。そのため、測量や境界確定、さらには、不動産鑑定の費用も、先行投資すべきです。

2.物納申請は、申告期限までに、必ず、行う

 不動産を売却しようとがんばっても、買手の事情もあり、申告期限(納付期限も同じ)である10ヶ月以内に、決済できないこともあります。
 停止条件付で売買契約を締結したときには、必ず、申告期限までに物納の申請ができる準備をしておきましょう。
 法律で定められているため、期限後の物納申請は、1日でも過ぎてしまうと、絶対に認めてくれません。

 物納について、もっと詳しく知りたい、または、シミュレーションを行いたい方は、下記までご連絡ください。
 当社は、会計事務所であると同時に、不動産会社でもあるので、価格の査定も行えます。
 その上で、不動産売却と物納で、どちらが得かまで、ご提案いたします。

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