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相続税で不動産売却のタイミングは?:知るだけで税金が安くなる

遺産分割によって、不動産を売却するのだが、いつ売るのが、一番、相続税と譲渡所得税の合計額が小さくなるのか?

 あなたは、この問題が解けますか? スラスラと分かるならば、損はしないでしょう。
 同居していた父親の相続で、相続人は、あなた1人だけ、財産は不動産だけで、現金も借金もゼロ円でした。

自宅 30坪、路線価で4,000万円、祖父からの相続で、建物は築45年で価値はゼロ円 (母親は、6年前に亡くなり、父親と二人で同居)
アパート
(木造)
40坪、路線価で6,000万円、建物の固定資産税評価額は1,000万円
5年前に、5,000万円(うち、建物2,000万円)で購入していて、確定申告では、建物の減価償却はすべて終わり、原価はゼロ円
現預金等 ゼロ円
銀行からの借金 ゼロ円(完済済み)

 あなたは、相続税を支払うために、現金がないので、不動産を売却する必要があるのですが、

 <ケース1> 売却1に、アパートを売るのが、一番儲かる
 <ケース2> 売却2に、アパートを売るのが、一番儲かる
 <ケース3> 売却2に、自宅を売るのが、一番儲かる
 <ケース4> 売却3に、アパートを売るのが、一番儲かる

 のどれが、正しいでしょうか?
(なお、市場では自宅が5,000万円、アパートが7,000万円で売却できるとします)

売却のタイミング

 答えは、<ケース3>です。
 なぜでしょう。
 すでに計算ができている人は、解説を読む必要はありません。

 <ケース1>から、考えていきましょう。
 相続税では、申告期限まで、自宅に相続人が住み続けるという条件で「自宅の土地」、または、アパート経営を相続人が続けるという条件で「アパートの土地」、それぞれの評価を下げる特例を使うことができます。(小規模宅地の特例)
 売却1では、アパートは申告期限までに売却するため、特例は使えず、自宅の評価だけが800万円となり、相続税は640万円です。
 そして、アパートを売却したときの所得税ですが、売却する日が属する年度の1月1日時点で、買った日から5年以上経っていないと、短期譲渡と言って、譲渡所得に対する税率が39%と高くなります。
 そのため、アパートを7,000万円で売却したときに、譲渡所得税を単純に計算すると、1,560万円にもなってしまいます。
 ただ、このアパートには、相続税もかかっているため、二重課税のようになってしまいます。
 そこで、相続税の一部を、不動産売却の譲渡所得税から差引いてくれる特例があります。(取得費加算と呼びます)

 これは、相続財産を売却した場合だけではなく、相続が発生する日から3年以内に贈与された財産を売却した場合にも使えます。

結果(不動産の仲介手数料として、売却金額×3%も考慮)
自宅(市場時価5,000万円)と現金4,830万円で、合計9,830万円が残ります。

次に、<ケース2>の場合は、どうでしょうか?
 申告期限まで、自宅もアパートも保有しているので、両方に土地の評価を下げる特例が使えるので、相続税は130万円になります。
 ただし、申告期限を越えて、相続税を納付することになるため、延納を申請します。
 税務署に相続税を遅れて支払うため、利子税がかかります。
 この利率は、公定歩合によって変わってきますが、約2%として、期限日から1年後に納付できたとすれば、26,000円の税金が加算されます。
 一方、アパートを売却する日が属する年度の1月1日時点が、買った日から5年以上経っているので、譲渡所得の税率は20%でよいことになります。

結果(不動産の仲介手数料として、売却金額×3%も考慮)
自宅(市場時価5,000万円)と現金5,915万円で、合計1億915万円が残ります。

 実務的にも、相続税の申告期限までに急いで、不動産売却するよりも、延納を選択して、準備をした方が、アパートは高く売れるでしょう。

 答えである、<ケース3>を計算してみましょう。
 相続税は、売却2と同じなので、相続税は130万円で、利子税は26,000円です。
 所得税ですが、自宅を売却した場合には、譲渡所得から3,000万円を控除でき、かつ税率は14%になります。

 結果(不動産の仲介手数料として、売却金額×3%も考慮)
 アパート(市場時価7,000万円)と現金4,500万円で、合計1億1,500万円が残ります。

どうですか?
  この問題では、<ケース1>と<ケース2>で、1,000万円以上も違うこと考えれば、申告期限までに、不動産売却をすることはありえません。
 一方、自宅を売却する<ケース3>は、<ケース2>よりも手取りが多くなりますが、長年、住みなれた自宅を、得だからという理由だけで、売却する決断ができるかは、分かりません。
 もちろん、あなたのケースが、この問題とまったく同じとは思えません。
 しかし、申告期限までに相続税は納付しなければいけない、アパートを売却しなければいけないという固定観念を捨てることが重要です。
 相続した不動産、または、贈与された不動産を売却するときには、必ず事前に、相続税だけではなく、譲渡所得税、不動産の手数料まで考えて、シミュレーションしてください。
 一度、選択したケースをあとで変更することはできません。

 なお、<ケース4>では、売却3が選択されていますが、取得費加算という制度は、相続が発生してから3年10ヶ月以内に売却した場合という条件がついています。
 相続税の納付期限から、3年以上も経っていれば、利子税もそれだけ多くかかります。
 そのため、<ケース4>は、<ケース2>に比べれば、不利になることは、明らかです。

 ここで、あなたは、相続が発生してから3年10ヶ月も経って、不動産が売れないはずがないと笑うかもしれません。
 この問題では、相続人が、あなた1人という仮定なので、遺産分割で争いがありませんでした。
 ところが、相続人が複数いて、兄弟間で遺産分割協議がまとまらないと、相続人全員の同意がなければ、不動産を売却することができません。
 しかも、相続で争うと、土地の評価を下げることができる小規模宅地の特例も使えません。
 小規模宅地は、あくまで、自宅を相続した人が住み続ける、アパートを相続した人が事業を継続することが要件なのです。遺産分割で争っているときは、誰が、相続するのか決定していないので、特例が使えないのです。
 そのため、相続税は1,520万円にもなり、売却3の時期に、アパートを売却したときの手取りは、下記のようになります。

結果(不動産の仲介手数料として、売却金額×3%も考慮)
自宅(市場時価5,000万円)と現金4,504万円で、合計9,504万円が残ります。

 やっぱり、相続は争うと、最も損をするということです。
 ただ、<ケース1>と比べると、300万円しか違いません。
 つまり、税金のシミュレーションをやらないと、相当、損をすることも分かります。

 もし、あなたが、相続税と譲渡所得税のシミュレーションを希望するならば、下記までご連絡ください。すぐに条件をもとに税金を計算して、不動産売却の時期を、ご提案いたします。

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